シッコを見てきた

どうしても見たかったので妻には留守番してもらって一人で「シッコ」を見てきた。
マイケルムーア監督のシッコはアメリカの医療保険制度の問題を描いた作品だ。英辞朗によるとsickoとは「病人、精神障害者、倒錯者、変質者、狂人」という意味なんだそうだ。いわゆる「ビョーキ」って感じか。

アメリカには国民健康保険制度が無く、個人で民間保険会社へ加入するということだけは知っていたが、実際それがどういうことなのかということはあまり深く考えてはいなかった。

アメリカの人口約2億8千万人のうち5000万人、つまり17%は金が無くて未加入なんだそうだ。
いきなりこういうエピソードが。

・高額な治療費が支払えないので自分で足の
 裂傷を縫う男
・事故で中指と薬指を切断した男が病院に行
 き中指の接合は6万ドル(約720万円)、薬
 指は1万2千ドル(約144万円)といわれて金
 が足りずに薬指だけ接合

でもこの映画はこういうドキュメントじゃなくて中流アメリカ人を描いた話なんだそうだ。

・保険にキチンと入っていてもダンナが心臓病、
 妻が癌になった夫婦は保険でカバーされる範
 囲以上に出費がかさみ支払いができず自己破
 産して家を手放し、決して裕福ではない娘の
 家の物置に住むことになったが娘のダンナも
 イラクへ出稼ぎ
・自分と妻の薬代を保険でカバーするために79
 才で掃除夫の仕事をする老人。会社を辞めれ
 ば保険が無くなるので死ぬまで働かなければ
 ならない
・保険に入ろうにも太りすぎ、痩せすぎなどで
 拒否される
・保険に入っていても治療を拒否される
・保険に入っていても過去の些細な既往症で保
 険の支払いを拒否
・治療費の払えない身寄りの無い患者を貧民街
 に捨てる(点滴チューブをつけたままのことも)
・9.11でボランティア活動をして肺に疾患がで
 きても政府の人間じゃないという理由で保証
 も無く、後からできた保障も敷居が高くてご
 くわずかの人しか対象にならない

このままずーっと書いちゃいそうなのでこの辺で止めるが、医療費を大幅に削減されている現状では日本もこの先全く安心できない。
健康保険制度が崩壊しつつある日本の行く末を見るようで非常に考えさせられた。

混むとイヤなのでわざわざ電車で30分ほど離れた田舎のシネコンまで行ったくせにこういうことを書くのは何なのだが、夜8時からの回で見たというのを割り引いても客が10人くらいっていうのは少なすぎないか?
まあ家族やデート向きの映画じゃないのでシネコンのような場所じゃ仕方ないか。でもこれはいろいろな人に見て欲しいなあ。

参考:
SiCKO公式ページ
アメリカの医療費について(超高額で驚く)
日本での無保険者についての毎日新聞記事
健康保険制度の問題
などなど

2007/09/01 Sat in 日常のこと